「アク」のある山菜・その正体は
毎年この時期になると、無性に「アク」(苦味・えぐみ)のあるものが食べたくなります。
人間というか動物の本能でしょうか?
その「アク」の代名詞ともいうべき食材が「山菜」です。
多くの植物が春になると若芽を出し、虫などに食べられないように「アク」を潜ませて身を守ります。
この「アク」の正体は、山菜によって違いはありますが、ポリフェノール、ビタミン、ミネラルなど健康に良いものが含まれています。
しかし逆に、シュウ酸などあまり体に良くないものも含まれているようで、一度に大量に食べるのは控えた方が良さそうです。
どちらにしろほとんどの山菜は「アク抜き」をしないと苦くて食べられません。
- 水にさらす
- 茹でる
- 重曹、灰、米のとぎ汁などを入れて茹でる、漬ける
- 塩、塩水で漬ける 等々
「アク抜き」の主な方法はこんなところですが、山菜の種類によって方法も違ってきます。
ただ、あまり「アク」を抜きすぎてしまうと、山菜特有のうま味もなくなってしまうので、加減が必要です。
「アク抜き」の途中で味見をしながら、好きな加減を見つけるのが一番です。
山菜のスタートはつくしから
さて、もう既に出始めているのが「つくし」です。
雑草としてよく取り除かれている「すぎな」の胞子の部分です。
山菜というよりも、そこらに生えている身近なもので、日当たりのよい暖かい場所では3月から出初めていました。
「えっ!つくしなんか食べるの?」って思うかもしれません。
実は私も滅多に食べることはありません。
今回は何年かぶりに食べてみようと思います。

すぎなと一緒に生えてます
あまり多く収穫すると、下処理が大変なので、ちょっとだけ採ってみました。

処理が大変なのでこのくらい
下処理の方法は・根気よく
持ち帰ってよく洗います。

ごみが混ざっているのでよく洗います
次に一本一本、はかまを取り除きます。
指でつまんでプチプチと。
これが結構、面倒です。
少量でよかった。どっさり採ってしまうと根気がいります。

指でつまむようにしてはかまを取り除く
このはかまを取っておかないと、食べる際に固かったり、触感が悪く感じたりします。

はかまを取り除いたもの(左)と取り除く前(右)
つくしのおひたし・簡単クッキング
再びよく洗って、塩ひとつまみ入れた熱湯で茹でて「アク」を取ります。

サッと茹でる 30秒ほど
何となく緑色の「アク」が出てきました。
つくしの場合、それほど「アク」は強くないので、30秒ほど茹でて、ザルにあけ、水にさらします。

水でさらす
そのまま水に浸けておいて、2・3回水を替えながら数時間放置しておきます。

そのまま水に浸けておく
あとは水を切って、食べるときにお好みで、ポン酢でも醤油でもかければできあがりです。

できあがり
つくしの味は?
味の方はと言うと......
正直それほど強く印象に残る味ではありません。
ほんのりと草の味というか、山菜の風味が感じられます。
頭の胞子がまだ開ききっていないツルツルしたものは、つくしの風味が一番強い状態です。
味も濃く、シャリシャリとした食感です。
できるだけ頭がツルツルしているものを多く採った方が良さそうです。
頭が開いてザラザラしているものはべチャッとしてしまって、味も薄いです。
少量なので、ちょっとしたおかずのプラスアルファ的なものとして、良いのではと思います。
漬け物と同じような存在でしょうか?
今回は簡単におひたしだけでしたが、他にも天ぷら、卵とじ 、バター炒めなど、色々なお料理にも活用できます。
パスタなんかにも入れても良いかもしれません。
いよいよ本格的な山菜が出てきます。
これからがとても楽しみです。