大量に収穫できて、グリーンカーテンにもなるハヤトウリにチャレンジしてみました。
手間暇かける正しい育て方はしっかりとあるのですが、面倒くさがり屋の性分から、放ったらかしの栽培となってしまいました。
それでも何だかんだ100個近く収穫ができました。
そんな私のような者でも楽しめる、簡単な育て方と食べ方についてご紹介いたします。
ハヤトウリの栽培
種の入手
まずは種の入手です。
これが結構苦労しまして、近隣のホームセンターではほとんど売られていなかったのです。
一部売られていたホームセンターもあったのですが、入荷数が少なく、追加の入荷が無い状況でした。
今年は無理かと諦めかけていた5月上旬に、やっと種苗店で苗を見つけて1株買うことができました。
苗としての販売は時期的にギリギリであったようで、購入したものはすでに種瓜から芽が出て葉も出て、蔓が50cmくらい伸びたものでした。
植え付け
初めてなので、鉢植えでやってみることにしました。
10号鉢を用意して、市販の野菜の土・堆肥・油かす・化成肥料を混ぜて、2週間寝かして準備を整えておきました。
買ってきた状態の育苗ポットから10号鉢に移し替えて、水をたっぷり与えてじっくりと生育状況を見守っていきます。
管理方法
植え付けが終わってしまえば、鉢の表面の土が乾かないように水くれと、2週間に1度くらい、化成肥料を株元にパラパラと撒くだけです。
生育旺盛であっという間に葉が茂ってくるので、角材や竹とネットを組み合わせて水平棚を作りました。
高さ約2m、縦横約2m四方の大きさです。
蔓が絡みつきやすいように、柱の下の方にまでネットを垂らして誘引しておきます。
あとは蔓がどんどん伸びて成長するのを待つのみです。
夏 成長中
1本の苗から伸びた蔓が、あっという間に高さ2mの柱を伸び切って、水平にワンサカと蔓や葉を茂らせています。
まるでジャックと豆の木の物語に出てくる豆の木のように生育旺盛で、ゴーヤよりも茎が太く、葉も大きく、しっかりとした蔓が力強く毎日伸び続けています。
ハヤトウリは孫づるに多く実を着けるので、親づる・子づるを摘芯して孫づるを伸ばすようにすると良いそうですが、素人の私はこれから伸びようとする蔓を切ることに抵抗があって、最初は出来ませんでした。
2mくらい伸びて子づる、孫づるがたくさん出てきた時に、やっと親づるを切る決心がついたくらいです。
本来、もっと子づるも切った方が良かったのかもしれませんが、伸びてくるうちにどれが子づるか孫づるかわからなくなってきて、初めのうち少し切っただけで、その後は伸ばしっぱなしです。
その他の手入れは、相変わらす毎日の水くれと、2週間に1回の化成肥料を株元にパラパラ撒くだけ。
あとはネットに葉っぱが絡まって閉じてしまっている部分を、外して開いてあげたりするくらいです。
肝心の花が咲かない
9月も半ばになって、天井を埋めつくすほど葉っぱが茂りましたが、なかなか花が咲きません。
つぼみすら出てきてません。
夏も終わり、隣のグリーンカーテンではゴーヤが終わりを迎えており、枯れた蔓を撤去したところにハヤトウリの蔓が伸びてきている状況です。
成長するのは良いのですが、いつになったら花が咲くのでしょうか?
調べてみたら、ハヤトウリは短日植物なので、日が短くならないと開花しないのだそうです。
やっと開花
9月下旬、暑さもやわらぎ日も短くなり初めた頃、つぼみを見つけました。
どうやら雄花のようです。
あたりを見回してみると・・・。
なっ、なってる!
小さなハヤトウリが!
雌花の元に2センチほどのふっくらとした実が着いています。
初めての栽培ということもあり、雄花や雌花がどういうものなのか、よくわからないまま毎日見ていたので、気が付きませんでした。
数日経ってみると、あちこちに花が見られるようになり、小さなハヤトウリが実を膨らませ始めています。
ざっと数えてみましたが、30個ほど小さな実が着いています。
まだこれから増えるでしょうが、これらの実が大きく成長すると結構な重量になるかもしれないので、棚のネットの間に細い棒を差し込んで補強をしておきました。
スズメバチに注意
実がどんどん出来るのと同時に、花もどんどん咲いています。
毎日状態をチェックしているときに気付いたのですが、やたらとスズメバチが飛んできています。
ハヤトウリの花に潜り込んで蜜を集めているようです。
ブーブーと大きな音を立て、姿は見えなくても飛んできているのがわかるくらいです。
受粉の手助けをしてもらえるのはありがたいのですが、よりによってスズメバチばかり飛んできています。
どうやらスズメバチはハヤトウリの花が大好きのようで、花が咲いているうちは注意が必要です。
密を集めることに夢中になっているので、そのまま刺激しないように、ブーブーと音が聞こえたら、少し距離を取ってそっとしておくようにしていました。
秋 収穫
10月中旬、開花してから20日経ち、実の大きさが10センチを超えました。
収穫の時期です。
ゴロンとした感じの大きな実が、たくさんぶら下がっています。
放っておけばどんどん大きくなりますので、10センチ超えを目安に収穫しました。
収穫数は80個まで正確に数えていましたが、その時点でまだ少なくとも20個以上は実ができており、100個を超える収穫量でした。
身内やご近所、仕事関係の人など、あちこちにおすそ分けができるほどでした。
ハヤトウリは手が荒れる
調理の際ハヤトウリを切ると、断面から白いネバネバしたぬめりがにじみ出てきます。
これはアクで、食べるのには問題ないのですが、手荒れの原因となります。
手荒れしやすい人は、手袋をするか、触ったらこまめによく洗った方が良いでしょう。
ハヤトウリの食べ方
ハヤトウリのらっきょう酢漬け
たくさん作れて長期保存が効く最も簡単な方法です。
<道具・材料>
- 保存瓶 8リットル用1個
- ハヤトウリ 10個
- らっきょう酢 2リットル2本
- 鷹の爪(赤唐辛子) 2本
- 粒こしょう 50粒程度
①保存瓶の内側を熱湯消毒
- いきなり熱湯をかけてしまうと瓶が割れることがあるので、水を混ぜて少し冷ましたお湯をかけて温めてから、熱いお湯をかける。
②ハヤトウリの準備
- 1/8くらいの大きさにカットする。皮はそのままでも可。
③瓶詰め
- カットしたハヤトウリを瓶に詰める。
- 鷹の爪2本と粒こしょう50粒程度を入れる。
⑤らっきょう酢2本
- らっきょう酢を2本分入れる。
- 瓶一杯にらっきょう酢が満たなくても、時間が経つとハヤトウリの水分が出てきて、瓶一杯になる。
⑥混ぜ合わせ
- 蓋をしっかり締めて、持ち上げて(抱きかかえて)よく振って混ぜる。
- 鷹の爪や粒こしょうがまんべんなく行き渡るように。
⑦保管
- 日の当たらない涼しい場所で保管する。
- 我が家では廊下の片隅に置いてあります。
⑧出来上がり
一見、お刺身のようですが、ハヤトウリの漬物です。
カリカリとした歯ごたえと、らっきょう酢の甘酸っぱさが堪能できます。
一晩漬けるだけでも、酢漬けを味わうことが出来ますが、少しづつ食べながら日数が経つにつれ、だんだん味の濃い酢漬けに変わっていくところが、自家製漬物の良いところです。
お漬物の1品としてご飯のおかずに、またお酒のつまみとしても十分合わせられる保存食です。
ハヤトウリのらっきょう酢漬け(柚子味)
上記とほぼ同じ作り方です。
違いは、柚子1個分を皮だけ剥いて、細かく刻んで入れました。
鷹の爪と粒こしょうは入れていません。
こちらは柚子が効いて、あっさりとした味わいです。
ハヤトウリの出汁炒め
ハヤトウリはそのほとんどが水分で、正直なところ独特の味はありません。
その代わり、他の食材の味が染み込みやすいので、豚肉や鶏肉などの美味しい食材の味をうまく染み込ませられれば、ボリュームの多さを活かして食べごたえのある料理ができます。
色々試してみましたが、最終的に最もシンプルにちょいの間でできる方法に行き着きました。
それがこの調理方法です。
<材料>
- ハヤトウリ 3個
- オリーブオイル 大さじ1
- ニンニク 1片
- 顆粒だし 大さじ3
- 塩コショウ 適量
①ニンニクを炒める
- オリーブオイル大さじ1をフライパンに敷き、みじん切りしたニンニクを炒める。
- ニンニクの香りが出てきたらハヤトウリを入れる。
②ハヤトウリを投入
- 食べやすい大きさにカットしたハヤトウリを炒める。
- 薄めにカットすれば火の通りが早い。
③顆粒だしを入れる
- お好みの分量でOK。
- 出汁味を濃くしたかったので、大さじ3杯。
- 多すぎるかもしれませんが、お好みで。
④塩コショウを振る
⑤出来上がり
- 味の染み込み具合や柔らかさを味見して、良さそうなところで火を止めて完成。
ハヤトウリに出汁の味が染み込んで、味わい深くなりました。
10分もあれば簡単に作ることが出来る、味の濃いおかずです。
お酒のつまみが乏しいときにもサッと準備ができる一品です。
12月まで収穫は続く
収穫は12月になっても続いています。というか収穫しきれません。
15cm近くまで大きくなってしまったものもありますが、皮が固くなる程度で普通に食べられます。
このところ毎日のように食卓には、ハヤトウリが漬物・炒めもの・味噌汁などの姿になって現れてきます。
夏野菜が終わったあとの我が家の主役は、まさにハヤトウリです。