毎年4月下旬から5月中旬になると、仕事帰りにちょいと寄り道して、わらびを2束程度採ってきます。
わらびの塩漬けが、この時期では我が家の食卓の恒例になっています。
色々とある山菜の中でも、わらびは量がたくさん採れ、調理もしやすいので、採ってこない年はありません。
私の印象では、山菜といえば上位に入るくらい身近な山菜です。
わらびの見分け方
生え方
シダ類の山菜で代表的なものは、わらびの他に、ゼンマイ・こごみなどがありますが、ゼンマイ、こごみは株単位で生えるので、何本かまとまって生えています。
わらびは株としては生えないので、1本づつ、単独で生えていることが多いです。
ただ、地下茎で繋がっていますので、1本見つけたら、周りをよく見渡してみると次々と見つけることができます。
色・形
白っぽくて先がクルっとまるまっているのが基本的な形です。
この妙な形を頭にインプットした状態で探してみると、なぜか違和感のあるものが視界に入り、近づいてみるとワラビだった、なんてことがよくあります。
先が握りこぶしのような形をしていますが、成長するにつれて、これが開き始め、シダの葉っぱになっていきます。
全てが白っぽい訳ではなく、緑色のものもあります。
写真のわらびは緑色でひょろっとしていて、約80cmまでになっています。
条件にもよりますが、1日で10cmくらいは楽に成長しますので、放っておくと1m近くまで成長します。
生えている場所
日当たりがよく、水はけのいい草原や土手などによく生えています。
日の当たらない林の中や、こごみが生えているような湿った場所にはあまり生えていません。
昨年まで生えていたシダの葉っぱが枯草になって倒れている場所がポイントです。
草刈りや伐採を行った場所や、林の切れ目の日当たりの良い場所などは探しどころです。
収穫方法
葉っぱが開いてしまったものや地面から顔を出したばかりのものは採りません。
少なくとも10cm以上で、クルっとまるまっている状態のものだけを収穫します。
収穫する際は、下の方から茎をつまんで折れそうなところでポキッと折って収穫します。
通常、根元から少し上あたりで折れるのですが、80cmくらいになるとさすがに根元は固く、40cmくらい上のところで折れました。
収穫の際注意していることは、あまり大量には採らないようにしています。
種の保存はもちろんのことですが、一番の理由は下処理が大変なので、その日のうちに手軽に処理できる量を採るように心がけています。
下処理・アク抜きの方法
良く洗う
まずは1本1本、しっかりと洗います。
クルっとまるまった握りこぶしの中に枯草や虫が入っていることがよくありますので、しっかりと洗います。
重曹でアク抜き
そして最も重要な「アク抜き」です。
わらびは非常に「アク」の強い山菜です。
これはできる限り除いておかないと健康にも害を与えることになります。
アク抜きに使用するのは重曹です。
先の方よりも根元寄りの方が「アク」が強いので、まず根元を重点的に重曹を浸み込ませます。
切り口にチョンチョン付けていきます。
そしてパッドに並べて、根元中心に重曹をまぶします。
わらび一束に対して、大さじ1くらいです。
先のクルっとまるまった柔らかい部分に重曹を濃く付けてしまうと、溶けてしまうことがありますので、根元にだけ浸み込ませます。
このまま数分、放置しておきます。
その間、お湯を沸かしておきます。
熱湯をかける
わらびがひたひたに浸かる量のお湯を沸かし、沸騰した状態の熱湯をかけていきます。
すでに根元に付けてある重曹が全体に行きわたり、アク抜きが始まります。
わらびが浮かないように、押さえ網を乗せておきます。
一晩置く
その後は特に何もせず、そのまま一晩置いて自然と冷まします。
あまりアク抜きの時間を長くしすぎると、わらびがクタクタになってしまいますので、8~12時間くらいでアク抜きは終了させた方が良いです。
その後、水でよく洗えば(重曹を洗い流す)、もう食べることができますが、私の場合は更に数時間水に浸けて置いています。
味付けの方法
今までは、単純に食べやすい大きさに切って、タッパーにいて入れて塩をまぶしておいただけのいわゆる塩漬けばかりでしたが、今回は漬け汁にこだわってみました。
特製漬け汁の作り方
水 200cc
顆粒だし 大さじ1
醤油 大さじ1
塩 小さじ1
塩昆布 ひとつまみ
鷹の爪 1本
以上の割合で漬け汁を作って、タッパーに入れたわらびにかけて一晩漬けました。
翌日、食べてみたところ、だし汁のうまみと鷹の爪の辛さが合わさって、わらびの味が華やかになった感じがしました。
今までのシンプルな塩漬けもわらび本来の味が出ていて美味しかったのですが、この特製漬け汁は、どの山菜や野菜にも合いそうな気がします。
今後、この漬け汁のパターンが食卓に登場する頻度が増えそうです。